こんにちは、ぐちまるです🐤
さて今回はいよいよ夜逃げの話です!
近年ではDVシェルターや保護団体などの存在は聞くところですが、当時もそういった実態があったのかもしれないが、情報を得る事自体が難しかった。
そんな中母は夜逃げを決意してくれた。
仕事をクビになり益々お酒に溺れる父、さらに家で暴れる事が増え、母との関係も益々険悪になっていく。
まさに家庭崩壊。
この頃から母は私たちを守るため夜逃げを密かに計画していたようで、5歳のぐちまるは一切知りません。
それは小学一年生の夏休みの夜、眠っているところを母に起こされた。
「シー静かに、お父さん起こしたらあかんで」
「今から叔父ちゃん家いくから。表に叔父ちゃんと叔母ちゃん来てるから。」
とささやき声で私を起こした。外は真っ暗だった。
眠たい目をこすりながらベットを出て、1階へ降りると居間の電気はまだついていて父が酔いつぶれてそのまま眠っていた。
その横を静かに通り抜け外へでた。
母が言っていた通り叔父さんと叔母さんが車で待っていた。
荷物は先に積まれていて最後の積み荷がぐちまる達だった。
ここまでのスピードが速く、寝ぼけていたこともありあっという間に車の中にいた感覚だった。
大好きな叔父ちゃんと叔母ちゃんに会えたことが嬉しかったのと、起きてちゃいけない時間のお出かけにわくわくしていて、「どこ行くの~?何するの~?」と嬉しそうに聞いたのを覚えている。
叔母さんは「今からおばちゃん家でお泊りやで~」と楽しい雰囲気のまま答えてくれた。
叔父と叔母の家まで車で3時間くらいのドライブだった。
すぐに眠りについて、起きたらあっという間に到着していた。
これが父との別れだったと理解したのはしばらく後のこと。
叔母さんの家にお泊りしはじめて数日経ったころ、母から離婚について話があった。
母は「お父さんが暴れるから、あんた達を守るために離婚するんや。」と私たちに話した。
この頃のぐちまるは“怖い父”と“楽しい父”が入り混じっていて、家庭が崩壊している事を理解していなかった。お父さんと会えない事に悲しくなり泣いたけど、母の説明を聞いてから父が“怖い存在”だったと認識するようになり、この時から暴力を振るわれた記憶や怒鳴られた記憶がもっと強く残るようになったと思います。
この時の母の決断に感謝している。きっとあのまま一緒に住んでいたらもっと悲惨な事になっていたと思う。
しばらくしてから、離婚届に判を押してもらうため父と母は話し合いをすることに。
私たちも連れられて父の自宅の近所まで向かった。
この時も夜だった。外灯は少なく暗がりの中に父の車が一台だけ止まっていて、母が父の車へ乗り込み二人だけの話し合いが始まった。
後から聞いた話では、この時父は包丁を持っていて
「離婚するくらいならいっそうのこと俺を殺してくれ」
と言って母に包丁を渡したそうです。
あんな父でしたが離婚を望んでいなかったし、私たちと離れるのが嫌だったようです。
モンスターの中にも愛情があったんですね。なぜ父はそれを守ろうせず壊そうとばかりしてしまったんだろう。感情って難しい。
父もまた感情が育たなかったアダルトチルドレンのひとりだったのかもしれない。
結局、離婚は無事成立。
離婚後、父が亡くなるまでの4年間の間に数回面会があっただけだった。
もちろん母の判断は間違っていなかったんだけど、、、でも優しくて面白い父の反面も知っていたから、もっと父に会えばよかったと今では寂しくも思います。。。
次回はちょっと番外編!
姉に頭をカチ割られた話を書いてみます!(笑)お楽しみに!
つづく